看護と介護の職域

ヘルパーさんは、どこまでOK?

医療行為に関連するお仕事

 職域と協調性のバランスは、どのような職場でも難しい課題だと思います。

 介護福祉の施設で、看護と介護が、しっかりコミュニケーションをとりながらそれぞれの職域を尊重して協働する施設は、かなり安定運営においても有利であると言えます。

 やはり、連携して働く場合、多くの職場で問題視されるのが職域です。

 役割分担がしっかりされている職場もあれば、されていない職場もあります。

 どちらが良いのか事業経営者様も悩む点ではありますが、人員配置にも影響されますので、事業開始前にしっかり検討していただくことを経営者様に助言することも多くありました。

 今回は、医療行為に関連するお仕事において、ヘルパーさんができることを挙げていき、連携のヒントとして考えていただくきっかけとなれば幸いです。

①測定・・・・血圧測定(水銀はNG)、体温測定(水銀・電子OK)、パルスオキシメーター

②服薬介助・・・・点眼、湿布、座薬挿入、点鼻、一包化の内服薬(服薬管理はNG)

③口腔ケア・・・・歯ブラシや綿棒を使用したケア(重度の歯周病などの異常がある場合NG)

④耳掃除・・・・耳垢の除去(閉塞状態など異常がある場合NG)

⑤爪切り・・・・爪切りややすりを使用したケア(周囲の皮膚に異常または、糖尿病などで管理が    必要の場合NG)

⑥処置・・・・浣腸(市販グリセリン浣腸)、自己導尿の補助(カテーテル準備・姿勢介助)、ストーマのパウチに溜まった排泄物処理、軽微な切り傷、擦り傷、やけどなどによるガーゼ交換(褥瘡の処置などの専門的な判断が必要な傷の処置はNG)

 このように挙げることはできますが、曖昧な解釈もありますよね。

 基本的には、専門的な判断が必要ないときに認められますが、所定の研修を受けたヘルパーさんや介護福祉士は、たんの吸引や経管栄養の実施も認められています。

 お互いの職域を把握したうえで、尊重しあって働ける職場が増えていくと良いですね。

介護保険の分野はローカルルールも気を付けて!

 前述したお話のなかには、ローカルルールにより異なった見解があることも要注意です。

 どこが所管なのかを把握して、それぞれが出しているQ&Aで確認することもできます。

 介護保険事業における皆様のお仕事は、算定した場合に報酬がつきます。

 ローカルルールで除外されている場合、算定して請求しても返戻になる場合がありますのでご注意ください。